英語

【要点を解説】英語のリーディング力を伸ばすための2つの読み方

今回は英語のリーディング力を伸ばすために必要な2つの読み方を紹介します。

先に結論を言ってしまうと、2つの読み方とは「精読」と「多読」です。

この2つの読み方を使って、英語を読む練習を継続していくことで着実にリーディング力をアップすることはできます。

それでは、ここから2つの読み方を分かりやすく説明していきます。

精読とは?

精読のやり方

まず精読というのは、読んで字のごとく、精密に英文を読むことです。

より具体的に言えば、英文の文法構造や各単語の役割を意識しながら英文を読むということです。

例えば、次のような英文があったとしましょう。

I gave him a book.

この英文を見て、とりあえず前から順に単語の意味だけを拾ってみると、「私」「与えた」「彼」「本」となります。

これらの単語の意味をつなぎ合わせれば、「私は彼に本を与えた(あげた)」と訳すことができるでしょう。この和訳はもちろん正解です。

しかし、これは精読とは言いません。単語をフィーリングでつなぎ合わせて意味をとっただけです。

精読をすると次のような読み方になります。

giveは第4文型の動詞だから”give O1 O2″の形を取って、「O1をO2に与える」という意味になる。今回の英文では、O1がhim、O2がbookだな。

giveという単語の語法をちゃんと理解したうえでの読み方です。これが精読に該当します。

正直言って、この例文くらいのレベルであれば、精読してもしなくてもリーディング力に影響はないでしょう。フィーリングでも十分に意味は取れています。

しかし、すでにご存じのように、英文はこんなに単純なものばかりではありません。

That question that was said to be difficult was not that difficult for me.
(難しいと言われていたあの問題は、私にとってはそれほど難しくはなかった)

このような英文になってくると、おそらく先ほどのフィーリングに頼った読み方では意味を取ることは困難でしょう。

例えば、この英文ではthatがたくさん登場しますが、それぞれのthatがどのような役割を果たしているか分るでしょうか?そのような観点を持って英文を読んでいくのが精読です。

参考までに精読をやってみたのがこちらです。精読のやり方は絶対的な正解があるわけではないので、これは一例です。ちなみに、thatは登場順に形容詞、関係代名詞、副詞です。

ここまで読んでいただいてお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、精読の目的は(時間がかかってもよいので)英文を正確に読む能力を身につけることです。

英語は外国語で、日本語とは全く異なる言語です。そのため、感覚的に身につけることは大変難しく、精読のようにきっちり理解をするための訓練が必要になります。

精読を行なうには英文法の知識が必要不可欠

ここまでで明らかなように、精読をするためには英文法の知識が前提となります。

英文法が全く分からなければ、英文の文法構造や各単語の役割の分析ができません。

英文法の勉強法に関しては↓↓の記事にまとめていますので、よろしければ併せてお読みください。

精読を学ぶためのおすすめ参考書

精読に使う英文の題材は何でもよいので、早速始めていただきたいと思います。

とは言え、「いきなりやれと言われても・・・」という方もいると思うので、こちらでおススメの参考書をいくつか紹介しておきます。

こちらは文法の単元に沿って基礎レベルの精読を学べる教材です。文法そのものはざっくり理解したけど、リーディングにどうやって活かすか分からないという方におススメです。

基礎編と実践編から構成されています。まず前半の基礎編で英文読解の重要事項や勘違いしやすいポイントなどが説明されています。後半の実践編では基礎編で学んだことを利用して、よりレベルの高い英文に挑戦します。

精読の基礎を身につけた後で、もうワンランク実力を伸ばしたいという方に向いています。

多読とは?

多読のやり方

多読は、その名の通り、多く英文を素早く読むことを意味します。

素早く読んでいくので、精読のように細かな文法事項を意識する必要はありません。多少分からないところがあっても飛ばして読んでもらえば大丈夫です。自分のペースでサクサク読み進めます。

多読の目的は、英文の大意を素早く掴めるようにすることです。そのため、多読を行う上では以下の点に気を付けていただきたいと思います。

多読の注意点
  • 自分が容易に読めるものを題材とする。
  • 知らない単語や文法があってもいちいち調べない。
  • できるだけ返り読みをしないようにする。

それでは各注意点を1つずつ説明していきましょう。

自分が容易に読めるものを題材とする

これは多読のやり方を考えればご理解いただけると思います。自分のペースでサクサク読み進めたいのに、難しい題材を選んでしまっては、それができません。読んでいてストレスを感じないようなものを題材にしましょう。

知らない単語や文法があってもいちいち調べない

これは1点目と似ています。知らない単語や文法をいちいち調べていたら、サクサク読んでいるとは言えません。スピード感を出すためにも都度調べるのは回避するべきです。

でも、知らない単語や文法があると読み進められないですよね?

1つの英文の中に知らない単語が1つ程度なら、概要は理解できるはずなので、あまり気にせずそのまま読み進めましょう。もしくは、未知単語の意味を前後文脈から推測してみましょう。英語を読めば未知単語に出会うことはよくあるので、こういった推測力も必要です。

もし、知らない単語や文法が大量に登場するということであれば、それはそもそもあなたのレベルにあった多読の題材ではないので、より簡単な題材に変更しましょう。

できるだけ返り読みをしないようにする

「返り読み」というのは、後ろを読んでもう1度前に戻ることです。英語と日本語では語順が異なるため、返り読みが発生しやすいのです。例えば、次の英文を見てください。

Walking along the riverside with my dog on a sunny day is very refreshing.
(晴れた日に飼い犬と一緒に川沿いを歩くのはとてもすがすがしい)

英文の順番は「川沿いを歩く」⇒「犬と一緒に」⇒「晴れた日に」となっており、日本語とは語順が逆です。英文を読むのに慣れないうちは、どうしてもこの語順の違いに混乱しやすいです。

そのため、”~ on a sunny day”まで読んで、また”walking along ~”と読み直すといったことをやってしまいます。始めのうちは仕方がないのですが、この返り読みをやっていては、いつまで経ってもスラスラとリーディングができるようにはなりません。

最初は大変かもしれませんが、頭の中で”walking along the riverside” ⇒ “with my dog” ⇒ “on a sunny day”の順番で処理するように訓練していく必要があります。

そのためには、できるだけ返り読みをしないように意識をしましょう。

多読用の題材

多読の題材は先ほど述べた注意点を守っていただけるのであれば、何でも構いません。できるだけストレスを感じないように、自分の興味のある分野のものを読むとよいでしょう。

ただ、中には「適切なものが分からない」という方もいると思うので、多読に使えそうなものをいくつか紹介しておきます。

様々なジャンルの書籍がレベル別に整理されているので、自分の興味とレベルに合わせた題材を選ぶのに適しています。

英語のニュースサイトです。上記の書籍シリーズと比べると難しめですが、たくさんの記事があるので、多読にはぴったりです。

NHKワールド

精読と多読は両方やるべき?

精読と多読はバランスよく両方やりましょう。

繰り返しになりますが、精読で英文を正確に読む力を鍛え上げ、多読で英文の全体像を把握する力を高めます。これらの訓練を組み合わせれば、複雑な英文であってもスラスラ読めるようになっていきます。

精読と多読をバランスよく行うのが基本ですが、そもそも英語を読み慣れていない初心者の方は、まずは精読を多めにやってみるとよいかもしれません。

ABOUT ME
keikesu
電気機メーカーのエンジニア、オフィス・工場向けIOTシステムエンジニアを経て、現在は大手のコンサルティングファームに在籍し、様々な組織のDXを支援するITコンサルタントをしています。 JDLA G検定・E資格を取得しているので、このブログではディープラーニング(主に資格試験関連)の基礎的な内容を投稿しています。