ディープラーニングG検定

【具体的に説明します】人工知能を大まかに分類

今回は人工知能の大まかな分類について解説したいと思います。

【わかりやすく解説】人工知能とは何か、簡単な歴史とその定義を解説で人工知能の定義に言及しましたが、人工知能の定義は研究者の間でも統一的なものはないというのがその際の結論でした。研究者の間でも定義が曖昧なわけですから、一般の人々の間では人工知能の捉え方はさらに曖昧になっているでしょう。

そこで分かりやすいように、人工知能はその機能に応じて4つのレベルに分類されています。

この4つのレベルを理解することができれば、人工知能についてより具体的なイメージが掴めるようになると思いますので、具体例を示しつつ説明していきたいと思います!!

レベル1:シンプルな制御プログラム

レベル1の人工知能では全ての振る舞いが予めプログラムで規定されています。

状況に反応して振る舞うので、家電であれば「AI搭載」などの宣伝文句が着くこともありますが、それほど複雑な動作をすることはできません。

具体例としては、例えば夜になると自動的に点灯する照明などがあるでしょう。これは周囲の明るさがある一定値以下になったら点灯するというシンプルなプログラムによって動作しています。

他には、ペダルをこぐ強さに合わせてモーター動力を変化させる電動自転車、洗濯物の量に応じて水位を変化させる洗濯機などもレベル1に分類されるでしょう。

レベル2:古典的な人工知能

レベル2の人工知能は探索・推論、知識データを用いて、状況に応じた複雑な振る舞いができるようになっています。

探索・推論や知識データは過去のAIブームで利用された技術なので、そういった意味で古典的と呼ばれています。

「○○な場合は△△する」といったルールが大量にプログラムに埋め込まれているので、レベル1と比較すると複雑な動作を行なうことが可能です。

具体例としては部屋の状況を把握して掃除をする自動掃除ロボット、人間の質問に対して受け答えするシステムなどが挙げられます。

複雑な動きをするので、傍らから見ると、まるで自分で思考をしているように見えますが、実際には膨大な量のルールに従って探索を行ない行動を決定しています。

しかし、学習することはできないため、機能的にはレベル3や4と比べると限定的です。

レベル3:機械学習を取り入れた人工知能

レベル3の人工知能はビッグデータを用いて入力と出力の関係を自ら学習することができます。レベル1や2が人間によって予め全てプログラムされていたことを考えると、この変化は非常に大きいですね。

例えば、アパートの家賃を予測するシステムを作りたいと思ったとします。その際にアパートの家賃が面積に依存するという因果関係さえ分かっていれば、面積と家賃のビッグデータを人工知能に与えるだけで、面積と家賃の具体的な関係性を自力で見出してくれます。この関係性が分かれば、面積を人工知能に入力するだけで、家賃を出力してくれます。

レベル3の人工知能の最も顕著な実用例は検索エンジンでしょう。日々ユーザが大量に打ち込む検索キーワードとユーザが訪れるウェブサイトの関係性を学習することで、検索キーワードに対して最適なウェブサイトを表示できるようになっています。

レベル4:ディープラーニングを取り入れた人工知能

レベル4の人工知能は特徴量を明示的に与えなくても学習を行なうことが可能です。

特徴量とは何でしょうか?

特徴量とは出力を特徴づける(出力に影響を与える)変数のことです。先ほどのレベル3の人工知能の例で言えば、家賃を特徴づけるのは広さでした。そして先ほどの例では「家賃の特徴量は広さである」ということを人間が把握している前提でしたが、レベル4はそれさえも不要ということです。

ディープラーニングを用いたタスクで最も分かりやすいのは画像分類でしょう。例えば、キリンの画像分類(入力された画像にキリンが映っているかどうか判定)をしたいとします。キリンは首が長いことが特徴ですから、レベル3であれば首という特徴量を予め人工知能に教えてあげないといけません。しかし、レベル4になるとそれは不要で、キリンの画像を入力して学習させてあげるだけで、「首に着目すれば分類できる」という事実を見抜いてくれるわけです。

2016年にプロの囲碁棋士を倒して一躍注目を浴びたAlphaGoもレベル4に分類され、人間が勝ち筋を教えたわけではなく、AlphaGoが自ら勝ち筋を見出して、あの結果を勝ち取ったわけです。

このレベル4が応用・実用化へと向けて目下研究が進められている領域です。

最後に

今回は人工知能の4つのレベルについて具体例を交えながら解説をしてみました。

一口に人工知能といってもシンプルなものから高性能なものまであることがご理解板けたと思うので、次に人工知能という言葉を聞いた際には「どのレベルのことを言っているのかな?」とご自身でも考えてみてください。

みなさんの人工知能に対する理解が少しでも深まったのであれば幸いです!!

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ABOUT ME
keikesu
電気機メーカーのエンジニア、オフィス・工場向けIOTシステムエンジニアを経て、現在は大手のコンサルティングファームに在籍し、様々な組織のDXを支援するITコンサルタントをしています。 JDLA G検定・E資格を取得しているので、このブログではディープラーニング(主に資格試験関連)の基礎的な内容を投稿しています。